11月の所感。
今日から11月です。気温も朝晩はだいぶ下がってきました。体調管理に十二分にお気をつけください。
先月も台風や台風に伴う降雨で各地に甚大な被害が発生しました。此処に改めて累次の自然災害により不幸にして犠牲になられた方々の御霊に哀悼の誠を捧げますと共にご遺族の方々に心からのお悔やみを申し上げます。また被災された全ての方々に衷心からのお見舞いを申し上げます。
地球温暖化の影響により日本に襲来する自然災害は年々甚大化しています。これまで100年に一度乃至200年に一度と言われていた大規模災害が3年に一度といったハイペースで日本列島を襲ってきます。例えば西日本豪雨災害時には豊後水道から伸びた線状降水帯を辿って42個もの雨雲が連続して入り込み、広島県や岡山県を中心に記録的豪雨をもたらしました。1個の雨雲で約50ミリの降雨を齎す規模でありそれが42個も連なると最大降雨量は2000ミリを超えることとなります。また先の台風19号では関東地方、甲信越地方を中心に1000ミリを超える記録的豪雨となりました。
こうした自然災害の猛威に対処するためは叡智を尽くし最先端の科学技術を採り入れる必要があります。気象予測はかなり精緻化されつつありますが、更に気象レーダをバージョンアップし衛星についても既に運用している気象衛星に加え、二酸化炭素濃度をエリア毎に測定するGOSAT衛星、雲中の水量を測定し降雨量を予測できるテラヘルツ波測定衛星を打上げて精緻な気象測定、予測を行うことを考えています。また気象データセンターを構築し、過去の膨大な気象データを解析しどのような気象図になればどの地域で降雨があるかをビッグデータ分析により精緻なエリア予測を行い避難行動に繋げることができます。
ユーザニーズ(防災、減災、避難情報など)にマッチした大容量情報をリアルタイムに提供するハイスループット衛星(HSP衛星)を実現するため、総務省の研究機関で研究開発に取組んでいます。このHSP衛星は技術実証衛星9号機(ALOS9)に搭載し来年打ち上げ予定です。またテラヘルス波測定ビームを利用すると雲中水分濃度も把握できより精緻な気象測定をすることができます。こうした災害への万全の備えと共に国土強靭化計画の着実な実施も必要不可欠です。今年度予算において既に3兆円を超える強靭化枠を確保しておりますが総額7兆円の強靭化枠も拡大させていく必要があります。必要な予算措置を講じると共に強靭な国土をつくり安心安全の基盤を強化すべく取組んでまいります。