7月14日(木)
電源開発磯子発電所発電炉並びに安全施設視察訪問及び意見交換など。
民主党政権は温室効果ガス削減目標を取り下げました。
一度閣議決定までして決めておいて、これも自らが決めた浜岡原発などの原発稼働停止によりエネルギー事情が厳しくなったがゆえの今回の朝令暮改は、いかにも民主党政権らしい、いい加減さと場当たりさを再度、再々度みせつけました。
国民全体が呆れ果てるばかりです。
いつまで政治的ダッチロールをつづけるつもりでしょうか。
国内のみならず、国際社会からも批判が高まっています。
温室効果ガス削減目標は、サミットでも総理自身が約束した国際公約で、それをいともたやすく、また、一切国際社会にも事前説明なく反古にした罪はあまりに大きいです。
この政権により、我が国が10年遅れたと言われる所以です。
1日も早く政権から退場してもらいましょう。
戦後の我が国経済は、アメリカからの援助と外資・為替規制から成り立つ竹馬経済と言われてました。
戦後の脆弱な我が国経済は、この二つのレジームに支えられたものゆえに、我が国体外経済政策の基本は、長らく対米協調と体外諸規制維持のための国際機関との折衝でありました。
しかし、戦後高度経済成長の実現により、対米協調は維持し、諸規制維持の方は断念せざるを得なくなりました。
戦後約20年の昭和39年、ときの内閣総理大臣池田勇人は、IMF8条国移行を決断し、我が国経済を諸外国と対等の立場に置くことしました。
これによる、諸外国と対等の立場に置くと言うことは、貿易、資本自由化の決断です。
しかしながら、為替については、引き続き1ドル360円の公定レートを維持し、我が国輸出産業の育成・振興に努めました。
その後、ニクソンショックの勃発により、一気に為替自由化へと突き進んでいきます。
戦後の竹馬経済の二本柱を失う中で、我が国が経済成長していくためには、全方位外交、平和外交の方針の下に、対米協調を維持しつつも、アジア重視、エネルギー外交重視を打ち出さざるを得なくなりました。
政府開発援助供与による、アジア重視を実現するとともに、日中国交正常化以後は、アジアの中の日本を旗印に、中国をはじめアジア諸国との接近を図ってきました。
また、オイルショック以後、中近東諸国との接近をも図ってきました。
これにより、我が国は、政府開発援助供与額で世界一となり、ODA大国と、なっていったのです。
我が国の全方位外交、平和外交は、戦後外交政策の基本であるとともに、対外経済政策にも色濃く反映されました。
国際環境の変化と内閣の政策決定過程を詳細分析すると、池田、佐藤・田中・三木・福田・大平・鈴木各政権の外交を「全方位外交」という一貫した視角でとらえることができています。
我が国の平和の礎である、平和外交の基礎となるのは、日本の平和憲法であり、日本は平和精神を憲法の中に堅持し、世界の指導者たる立場で、国際協調の下、世界平和を推進していくべき立場にあります。
そのことは、紛争国には援助しない、平和国ないし平和志向の国には援助をふやし、平和が広がることを支援するとの外交方針に反映されています。
全方位外交の一例を挙げてみました。
70年代、我が国は、親日的なタイへの援助を増やして、両国間の人的交流も深めました。
しかし、それと同時にタイの近隣国にも配慮して、ビルマに対する援助も増やしました。
平和外交の一例も挙げてみます。
かつてのフォークランド紛争時、イギリス、オーストラリアはじめ紛争当事国への技術支援等はカットし、紛争してない諸国への支援や人的交流を増やしました。
このように、全方位外交、平和外交は、国是ともいえる我が国の体外経済政策の大方針と言えます。
その際、我が国の体外経済政策に対する問題となるのが、対米協調の方針との関係であります。
日米安保条約の下、強固な日米同盟は、我が国外交の基軸であります。
戦後も莫大な対日援助と我が国に対する隣国等からの有事の際の安全等を守るべき軍事支援をしたのは、アメリカであります。
このような、アメリカの援助、支援サポートがあったからこそ、我が国経済は復興できたと言っても過言ではないでしょう。
しかし、対米協調と全方位外交は、ときとして衝突します。例えば、ソ連への支援の問題が一例で、対米協調の観点からは、ソ連への支援は控えた方がよいが、全方位外交の観点からは、シベリアパイプライン支援をはじめとする経済支援は、行った方がよいとの結論に達しました。
その結果として、金額を絞ってソ連支援を行うこととなりました。
また、対米協調と、平和外交も、ときとして衝突します。ベトナム戦争時、対米協調の観点からは、南ベトナム支援は行ったほうが良いとなりました。
ただ、平和外交の観点からは、控えた方がよいとなりました。
結果としては、平和外交は控えることとなりました。その時々で、全方位外交も平和外交もあらゆる観点から総合判断して、適切なこたえを出すこととなります。
更に言えば、我が国の対外経済政策の柱として、国連中心主義というものがあります。
ただ、この方針は必ずしも十分には貫かれているとは言えません。
建前としては、国際連合を立てつつも、国際連合自体が機能不全に陥ることがままあり、結局国際連合を離れて外交を行わざるをえないこととなります。
このことから、国連の機能強化による国際連合スキームが求められます。
今後のあるべき対外政策の方針として、まず、人的貢献の重視があります。
お金の支援も引き続き重要ですが、人的貢献は、場合によっては、お金の支援以上に喜ばれることがあります。
人的貢献こそ真の国際貢献であり、顔の見える外交ともいえます。ただ大事なことは、偏らない人的貢献です。
人的貢献をしたとしても、たとえそれが純粋な復興支援であったとしても、偏らない人的貢献を行わないと、誤解を招いたり歓迎されないこともありえます。万が一当事国と争うようなことが生じれば、復興支援の意味がなくなってしまうことにも十分留意すべきです。
日本が世界に最も貢献できるのは、世界に誇るものづくりの技術や最先端の科学技術を生かした技術支援でしょう。
日本経済を下支えしている、中小企業の物作りは、紛れもなく世界最高かつ世界最先端だと思います。
アジア諸国も、新幹線、素材技術、ナノテクノロジーなど我が国の技術支援を求めています。
また、アフガニスタンやイラクなど復興を必要としている国は、何よりも日本の技術力を求めて、そしてそれをテコに、国の安定化やインフラ整備がもたらす国民生活の向上に繋げていきたいのです。
焦土と化した我が国の戦後奇跡的な復興を成し遂げたのは日本の技術力であります。
復興国は日本の科学技術や総合的技術を惜しむことなく最大限に利活用して、インフラ整備による経済再生、生活向上、医療充実、更には技術の伝授による人材育成など国の復興・再生に貢献してもらいたいと願っています。
21世紀における日本の国際貢献は、技術的貢献の時代になると思います。最後に大事と思うのは、環境支援であります。地球環境問題に立ち向かうためにも、環境をテコとして、対外政策を構築する必要があります。
最近中国より大量の黄砂が我が国に飛来し、呼吸器系、循環器系の病気が急増しています。黄砂の中に、大量の重金属などの汚染物質が含まれているからです。こうした環境問題もしっかりと国際交渉の俎上に上げ、国挙げて対応する必要があります。