衆議院議員 寺田稔の
政治実感日誌
4月5日(金)
衆議院議員本会議など。
昨日、日銀は金融政策決定会合でこれまでの金融政策からみるとかなり踏み込んだ異例の金融緩和策を決定しました。
「量的・質的金融緩和」、「2年で2%物価上昇を目標」、「マネタリーベース2年で2倍」などです。
とりわけ、金融政策の目標指標を金利水準からマネタリーベース、
つまり、市中に出回る通貨量に切り替えたことは適切かつ時宜を得たタイムリーなものです。
日銀が市中にマネーを供給すると当座は金融機関に供給されますが、そのマネーが貸出しに回っても国債購入に回っても経済の引き上げ効果を発揮します。
勿論貸出しが増えたほうが設備投資や雇用拡大など実体経済に直接的にプラスの効果をもたらします。
企業のみならず家計にマネーが供給されると消費拡大などのプラス効果を発揮します。
日本の経済規模は500兆ですからやはりマネタリーベースとして最低100兆はほしいところでしたが今回の日銀の決定で100兆をゆうに上回る130兆規模のマネタリーベース拡大を決めたことはまことに意義深いことです。
これまでの日銀は、金融緩和を行う、と口で言っても段階的かつ漸進的なものでした。
諸外国から、「Too little, too late」と揶揄されていました。
ピースミールの細切れ的金融緩和では効果も限定的で、トータルとしてかなりの緩和を行ったとしても現実の効果は殆ど発現しないというのがこれまでの通例です。
今回の決定は市場の事前の予想を大幅に上回るもので、マーケットも好感し株価も上がり為替も更に好転しました。
このような大胆な金融緩和策には、二つの批判ないしデメリットがよく指摘されます。
一つ目は、国債の大量購入により日銀の国債引き受けに繋がるのではないかとの懸念ないし批判です。これは100パーセントありません。
黒田総裁も記者会見で明確に語ったとおりあくまで市中に流通している既発国債を市中で買い入れるわけで直接引き受け、つまり財政ファイナンスとは明確に一線が引かれています。
財政当局が財政再建に努めることは当然至極のことであり、そうした努力は日夜行われなければなりません。
本日も行政改革推進本部が開催され各省の事務事業見直しのためのサマーレビューが決定されたところです。
二つ目の懸念は、この大幅な緩和策がハイパーインフレーションに繋がるのではないかとの懸念ないし問題点です。
経済界の一部にもそのような声を聞くことがありますが、そうした懸念も当たりません。
長年のデフレ克服が最優先課題であり、現に本日も長期金利が低下しました。
将来のインフレ懸念が生じていない証拠です。
通貨供給の拡大に実体経済が追いつかなければインフレーションの懸念が生じますが国債の金利曲線、
つまり所謂イールドカーブは典型的な逆イールドであり、金利、物価の先高感は一切生じていないのが現状です。
勿論市場を注意深くウォッチし将来のインフレ懸念の把握に努めるべきでしょう。
また、実体経済も供給能力が実需を大幅に上回って所謂デフレギャップが存在している現状ではハイパーインフレーションの心配は全くありません。
これまでの古い日銀はこうしたありもしない懸念や問題点を述べて本格的金融緩和に踏み切らないことの口実にしていましたが、もはやそうした不作為は許されない待ったなしの状況です。
今回の適切な決定を歓迎するとともに、デフレ克服とアベノミクス実現に向けてともに力を合わせていきましょう。
4月5日(金)

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