衆議院議員 寺田稔の
政治実感日誌
2015年7月

7月の所感。

ギリシャが返済期限日の6月30日迄に約2000億円の国際通貨基金への債務を返済できず所謂延滞状況に陥りました。
かつてフィリピンやメキシコなど発展途上国の一部国々が累積債務問題と言われる多額の対外借金に苦しんだことがありましたが、いずれも債権国と国際機関の支援を得て債務危機を乗り切りました。
ギリシャの場合はEUが追加支援を拒否したため苦境に陥っています。
金融の一般論で言えば国の債務については債務国が債務を支払う意思があり債権者側に債務国を支える意思があれば克服可能です。
ギリシャについては、EUなどの債権国側が緊縮財政を強く求めておりギリシャ政府と折り合っていません。
対外借金をしてもその借入資金を投資的経費に使っていればそれは健全な借金です。
かつて我が国も世界銀行から借入れをして黒四ダムや新幹線を建設しましたがこれらが健全な借金であることは言う迄もありません。
投資的経費は投資の乗数効果があるため投資額以上の経済的効果があるからです。
翻ってギリシャの場合はどうでしょう。
ギリシャは外国や国際機関から借りたお金を年金の支払や公務員の給与など所謂経常的経費に充てており、正にこのことが問題なのです。
経常的経費は個人に行くだけのお金で、投資的経費と異なり出したお金が数倍以上の経済効果を生むような所謂乗数効果を生みません。
そのような本来借金で賄うべきでない分野に対外借金を回してるのでEUなどはそのことを問題視し緊縮財政を求めているのです。
ギリシャ政府においてはポピュリズムに頼ることなく自らの判断で財政再建の重要性に十分思いを至し国内の経常支出は対外借金に頼ることのない健全財政の樹立に向け地道に取組むことが対外債務問題解決の唯一の方途であることを認識すべきでしょう。
EU側もただ単に債務返済を迫るだけでなく健全財政の重要性を十分ギリシャ側に説明しギリシャ政府の了解の上支援策を構築すべきです。
そうした努力を怠ると国境を越えた経済統合というEUの理念自体が崩壊することを認識して問題解決に努力すべきことを全ての関係者が心に刻んで本問題に取組んでほしいものです。

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